2008年6月10日(火)14:09

アイルランドの漁師はEU政策に抗議

コーク(AFP)

リスボンEU改革条約の国民投票を2日後に控え、アイルランドでは激昂した漁師がガソリン価格の高騰や低収入に対して抗議活動を行った。およそ70艘の漁船が港町コークのリー河に集結し、中心部の聖パトリック橋の上で通行人に無料で魚を配った。漁師は一週間の収入が250ユーロに満たないことを訴え、EUの政策に対して抗議した。

抗議活動を行った漁師や通行人は、現在の厳しい状況でリスボン条約に対する拒否姿勢が強まったと述べた。すでにスペインとフランスでも漁師や農民、トラック運転手らがガソリン価格の高騰に対する抗議活動を行っている。

「これではとてもやって行けない。ガソリンで私たちは破産する。4,5年前の価格で魚が売れるならばあるいは何とかなるかもしれない」。しかし漁師はみんな借金で首が回らない、と37歳のアレン・カールトンは語った。多くの漁師は、アイルランドの工業部門や農家と違って、漁師がEU加盟の恩恵を受けていないと考えている。

漁師やその支持者らは、木曜日の国民投票でリスボン条約を否決すればアイルランドの産業全体に重大な影響が及ぶ恐れがあるとのブライアン・カウエン首相の主張に耳を貸そうとしない。南西アイルランド漁業連盟のトム・ハセット事務長によれば、2週間前の同連盟の会合では誰一人リスボン条約を支持するものはいなかったという。もしリスボン条約が実際にアイルランド国民の否決で廃案になったとしたら、EUの漁業政策を見直す必要がある、とハセット事務長は主張した。

原題:Fischer in Irland protestieren gegen EU-Politik




ホームへ戻る